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喜光寺本堂 (奈良) 【重文】

奈良市にある寺院建築です.

喜光寺本堂
【喜光寺本堂】(HDR合成,撮影:2020年1月4日)

天文13 (1544)年の建立.桁行三間,梁間二間に裳階が付く構造.

喜光寺は天平期に行基が創建した寺院とされています.東大寺大仏殿を建てる際に雛形として10分の1で建てたというのがこのお堂の前身で,「試みの大仏殿」と称されることがあります.外観は和様で,天平のお堂もこんな感じだったのかなぁという雰囲気があります.とはいえやっぱり中世建築で,内部には大仏様の木鼻が使われていたりします.

堂内安置の「木造阿弥陀如来坐像」は平安時代の作で重要文化財です(訪問時は修理中でなかったけど).



名称:喜光寺本堂(きこうじほんどう)
文化財区分:重要文化財(近世以前/寺院)
所在地:奈良県奈良市菅原町


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テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

tag : 奈良 重文 寺院

北海道・北東北の縄文遺跡群の世界遺産登録について

祝!「北海道・北東北の縄文遺跡群(英名:Jomon Prehistoric Sites in Northern Japan)」の世界遺産登録

前記事と同じ書き出しになるけど,2年ぶりの世界遺産委員会.今年は中国福建州の福州市をメイン会場としたオンライン方式です.本日(2021年7月27日),「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録が決定しました.

構成資産は以下の17遺跡.

- 垣ノ島遺跡(史跡,北海道函館市)
- 北黄金貝塚(史跡,北海道伊達市) []
- 大船遺跡(史跡,北海道函館市) []
- 入江貝塚(「入江・高砂貝塚」として史跡,北海道虻田郡洞爺湖町) []
- 高砂貝塚(「入江・高砂貝塚」として史跡,北海道虻田郡洞爺湖町) []
- キウス周堤墓群(史跡,北海道千歳市) []
- 大平山元遺跡(史跡,青森県東津軽郡外ヶ浜町)
- 田小屋野貝塚(史跡,青森県つがる市)
- 三内丸山遺跡(特別史跡,青森県青森市) []
- 二ツ森貝塚(史跡,青森県上北郡七戸町)
- 小牧野遺跡(史跡,青森県青森市) []
- 大森勝山遺跡(史跡,青森県弘前市)
- 亀ヶ岡石器時代遺跡(史跡,青森県つがる市)
- 是川石器時代遺跡(史跡,青森県八戸市) []
-御所野遺跡(史跡,岩手県二戸郡一戸町) []
- 伊勢堂岱遺跡(史跡,秋田県北秋田市) []
- 大湯環状列石(特別史跡,秋田県鹿角市) []

[]は当ブログ記事リンク.

東北の縄文遺跡を世界遺産にしようぜって話はかなり前からあって,最初に文化庁が公募した2006年にすでに提案がありました.このときは「三内丸山遺跡」などの「青森県の縄文遺跡群」と「大湯環状列石」などの「ストーンサークル」とが別々に運動していました.暫定入りしたのが2009年で,一道三県の遺跡をまとめて「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」という名称になっていました.

その頃から問題になっているのが,この地域の縄文遺跡群がどういう顕著で普遍的な価値をもっているかということ.そもそも縄文遺跡なんて全国どこでもあるのに,北海道・北東北でまとめることの合理的理由とは何か.そうしてこの遺跡群を見つめなおすことで,ごく狭い地域に縄文時代の草創期,早期,前期,中期,後期,晩期の全ての時代の遺跡が含まれているということがわかってきたのでした.

そんなわけで,登録基準は(iii)と(v).(iii)は独特な文化が存在したことの証拠になるということ,(v)は優れた土地利用の例であること.縄文時代と一言で行っても1万5千年前から3000年ぐらい前までの長い時代で,その中に気候変動もあり,気候にあわせて居住の形態を変え,長期の採集・漁猟・狩猟をしていたというのは(v)の基準によく合致しています.遺跡の中には祭祀に関わるものもあり,独特な精神文化を伝えているというのは(iii)の基準にあっている点です.

ちなみに狩猟採集文化でありながら定住していて,それが1万年以上続いたというのは世界史の中でもかなり稀です.既登録の世界遺産ではこんなのないと思います.イヌイットの文化で長期の狩猟採集をしていたりするのだけど,縄文時代ほど長くはないし,夏と冬で居住地を変える半定住です.縄文は定住社会だというけど,何をもって定住していたかと判断するかは,土器でした.重い土器をもってあちこち移動できないですから.「大平山元遺跡」では北東アジア最古級の土器が出土して定住が始まったことがわかります.定住化は文化の成熟化を進めるというのだけど,時間的余裕ができたことや移動できない老人から知識が伝えられることなどから,精神世界が発達するために定住というのはとても重要なことでした.そして,精神世界が発達したことで,祭祀場をともなう集落ができたりするということで,そういう過程がよくわかる遺跡群となっています.

こうやって説明してみたけど,公式サイトの「縄文遺跡群を知る」はよくまとめられていてわかりやすいです.こうやってこの遺産が世界遺産になったことで,縄文がよく理解できて,他地域の縄文遺跡でもどのステージの遺跡なのかという位置づけが容易になったというのがとてもいいことだと思います.

さて,日本からの次の世界遺産は何になるんでしょうね.

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【大湯環状列石】(HDR合成,撮影:2009年6月6日)

奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島の世界遺産登録について

祝!「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島 (英名:Amami-Oshima Island, Tokunoshima Island, Northern part of Okinawa Island, and Iriomote Island)」の世界遺産登録

2年ぶりの世界遺産委員会ですが,今年は中国福建州の福州市をメイン会場としたオンライン方式です.本日(2021年7月26日),「奄美大島,徳之島,沖縄島北部及び西表島」の世界自然遺産登録が決定しました.自然遺産は2011年に小笠原諸島が登録されて以来で,日本では5つ目.

構成資産は以下4島の5エリア.

- 奄美大島(奄美市,大島郡大和村,大島郡宇検村,大島郡瀬戸内町,大島郡龍郷町)
- 徳之島(大島郡徳之島町,大島郡天城町,大島郡伊仙町)
- 沖縄島北部(国頭郡国頭村,国頭郡大宜味村,国頭郡東村)
- 西表島(八重山郡竹富町 )

今回は2回目の推薦.前は24エリアをとびとびでコアゾーンとしていました.前の推薦時にIUCNが問題としたのはこの点で,推薦地が狭いうえに連続性がないってことでした.今回はこれらをくっつけて5エリアとしています.この手続きはかなり大変なものだったと思います.4島なのに4エリアではないのは徳之島で2エリアに分かれているからです.

評価基準は(x)のみ.これは生物多様性を象徴する項目です.日本の国土0.5%に満たない面積に絶滅危惧種が95種,固有種は75種もいるってことで地球の生物多様性に貢献していると評価されました.ちなみに前回の推薦時には(ix)の評価基準もあわせていました.(ix)は独特な生態系や生物の進化に適用される評価基準です.この地域は大陸から切り離されてできた島弧で,大陸と地続きだった頃から残った生物が独自の進化を経て生き残っている点で,生物の進化を示す見本といえます.問題とされたのはこの生態学的プロセスが将来においても続いていくことができる環境が残っているかという点でした.IUCNの評価では(ix)の基準をみたすには推薦範囲の大きな変更が必要ということなので,残っていないわけではないということだと思います.

自然遺産に登録されてからの課題というのもいろいろあって,まずは観光客が増えることにどう対応するか.これは多くの人が問題視していることなのでそっちにまかせるとして,IUCNに評価されなかった生態系をいかに守っていくかが重要と自分は考えています.(x)の評価基準で世界遺産に登録されたってことで,個々の固有種,絶滅危惧種を守っていくことが義務となったわけだけど,それに加えて生態系をいかに将来に引き継いでいくかを真剣に考えていく局面にあるのではないかと思います.

さて,明日の世界遺産委員会では日本から推薦されたもう1件の審議があります.

曼殊院 (京都) 【重文・名勝】

京都にある有名な門跡寺院です.建物が重文,庭園が名勝に指定されています.

曼殊院書院
【曼殊院 - 書院】(HDR合成,撮影:2020年11月16日)

重文指定は3棟で,文化財指定上の棟名は本堂,書院,庫裏.本堂も書院建築なので,本堂は大書院,書院は小書院といったりもします.庫裏は遅れての追加指定.写真は書院(小書院)で,附属する茶室も附で重文指定を受けています.本堂,書院とも数寄屋風の書院です.

もともとは別のところに寺院だけど,明暦2 (1656)年に現在地に移転.重文の建造物群はこのときに建てられたものです.



曼殊院書院庭園
【曼殊院書院庭園】(HDR合成,撮影:2020年11月16日)

本堂,書院に面した庭園.明暦2 (1656)年の移転のときに建物とあわせて作庭されたものとされています.大海を表す砂の中に鶴島と亀島,奥に滝石組という構成.写真は滝前の石橋とその周辺で,すっくと立つ橋添石が印象的.ごつごつした石を使わずに丸みのある石を使うのは貴族文化的でいかにも門跡寺院という感じがします.鶴島の五葉松も見事なものだけど,個人的な好みでは石で鶴を表現してほしいところです.

美術工芸に国宝を有する寺院ですが,京都国立博物館に寄贈しており,ここでは見られません.



名称:曼殊院(まんしゅいん)
文化財区分:重要文化財(近世以前/住宅,近世以前/寺院)
所在地:京都府京都市左京区一乗寺竹ノ内町

名称:曼殊院書院庭園(まんしゅいんしょいんていえん)
文化財区分:名勝
所在地:京都府京都市左京区一乗寺竹之内町


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tag : 京都 重文 名勝 寺院 日本庭園

八幡山古墳 (群馬) 【史跡】

群馬県前橋市にある古墳です.

八幡山古墳
【八幡山古墳】(HDR合成,撮影:2020年1月12日)

よくある古墳の名称なので,前橋八幡山古墳といったりもします.「二子山古墳」(史跡)と同様に朝倉・広瀬古墳群を構成する古墳です.墳丘長130 mの前方後方墳で,前方後方墳としてはかなり大きいものです.4世紀中頃の築造で,古墳群の中では古い古墳です.



名称:八幡山古墳(はちまんやまこふん)
文化財区分:史跡
所在地:群馬県前橋市朝倉町


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tag : 群馬 史跡 古墳

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タカシ☆TZR(ヤブキ タカシ)

Author:タカシ☆TZR(ヤブキ タカシ)
兵庫県出身,大学からは宮城.その後,横浜での勤務を経て現在は東京勤務で千葉県在住.愛機はYAMAHAのTZR250R.

国内の文化財の写真を適当に載せていきます.今のところ隔日ぐらいの更新にしてます.日本の美にこだわって近世以前のものを中心に.こんなタイトルのブログだけど,バイクで行ったところでないところの話もでてきます.

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