真名井神社本殿 (島根)

出雲国府跡」(史跡,島根県松江市)は政庁跡など古代出雲の政治の中枢だった場所に,条里制の遺構の残る田園地帯を含めて広大な遺跡になっています.その田園地帯の北側の山麓にある神社が真名井神社.「真名井社」の社名は出雲国風土記にもあって,かなり古い神社です.さすがに古代の社殿なんかは残っていないけど,現在の本殿は近世のもので,そこそこ古く県指定の文化財になっています.

真名井神社本殿
【真名井神社本殿】(HDR合成,撮影:2017年9月3日)

出雲らしい大社造の社殿です.寛文2 (1662)年のものということで,全国的に大社造が希少であることも考えると国指定の重文になってもいいような気がします.大社造といっても正規の造りではなく,内殿は正面を向いている構造になっています(この点で文化財としての価値は下がるのかも).

県指定文化財で大社造というと天文23 (1554)年の「須佐神社本殿」(出雲市)というのがあって見てみたかったけど,時間の都合もあり行けませんでした.でも,県のウェブサイトだと文久元 (1861)年になっていて,天文の建立というのは疑ったほうがいいのかもしれない.写真を見る限り部材は新しいそう…….中世の古材を一部に残しつつも,江戸末期に大規模な改修をしたということかな.
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八重垣神社の狛犬 (島根)

八重垣神社という神社も出雲の古い神社で,須佐之男命が「八雲立つ出雲八重垣妻籠みに八重垣作るその八重垣を」(古事記の原文は「夜久毛多都 伊豆毛夜幣賀岐 都麻碁微爾 夜幣賀岐都久流 曾能夜幣賀岐袁」)と詠んだことでも有名.出雲風土記には「佐久神社」,延喜式に「佐久佐神社」とあって,八重垣神社と改称したのは明治になってからです.本殿は全国的には珍しいけど出雲によく見られる大社造で江戸中期のもので,文化財としての価値はあまり高いものではありません.貴重なのは重要文化財の「板絵著色神像」で,平安時代の本殿内に描かれた壁画(宝物収蔵庫にて保存・公開).寛平5 (893)年のものと伝わっているそうです(文化庁のデータベースでは室町時代の作となっているのはどういうことだろうか).

そして,文化財無指定ながら興味深い石造美術もあるので,あわせて見ておきたい.鳥居と随神門を通ったところの参道の両脇にこの狛犬があります.

八重垣神社の狛犬
【八重垣神社の狛犬】(HDR合成,撮影:2017年9月3日)

出雲の狛犬には「出雲構え型」という形式があるのだけど,それとは別の独特な造形です.製作年代は不明.著名な『日本石造美術辞典』(川勝政太郎著)になんて書いてあるかなっと思って調べてみると,まさかの無記載でした.ということで,もうなんだかよくわかりません.適当にネットの海を漂ってみると,東大寺南大門の石獅子と似た体勢だから同時代ではないかという話を見つけたけど,宋の石工が作った特異なものと比べるのは無理があるのではないかと思う.もろい石でできているので,あまり古いと残らないのではないかと思うのだけど.

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若桜町若桜の町並み (鳥取)

鳥取県若桜町の中心となる地区は若桜宿という宿場だったところで,伝統的な町並みが残っています.重伝建を目指すという内容の報道もあったけど,どうなったのやら.

若桜町若桜の町並み
【若桜町若桜の町並み】(HDR合成,撮影:2017年9月6日)

明治になって大火があり,江戸以前の建物はあまりなさそう.大火後に,道路から後退させて「仮屋」という庇をつけた建物にして復興したということで,特徴的な町並みになっています.写真は裏通りの方で,こちらは土蔵が並んでいます.

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橋津の藩倉 (鳥取)

鳥取県東伯郡湯梨浜町の橋津は,日本海の海運の拠点の一つで,舟番所や役宅などの藩の施設もありました.幕末には橋津台場が築かれ,その遺構は「鳥取藩台場跡」として他の台場とまとめて史跡指定を受けています.藩の施設で現存するのが年貢米を収める倉3棟で,県指定保護文化財(鳥取県の制度では県指定文化財をこう称するようです)になっています.

橋津の藩倉【橋津の藩倉 - 古御蔵】(HDR合成,撮影:2017年9月5日)

鳥取藩主池田家墓所」(史跡,鳥取県鳥取市)のところで話題にしたように池田光仲を祖とする池田家の藩政が始まったのが寛永9 (1632)年.藩政に関する資料には寛永12 (1635)年に「橋津御蔵」の記述があって,藩政の始まった頃に藩倉が置かれたようです.文化5 (1808)年の絵図には14棟の蔵が描かれてあってずいぶんと栄えていたようで,藩の9つの灘蔵の中でも最大規模でした.

現存するのは「古御蔵」,「三十間北蔵」の一部,「片山蔵」の一部で,写真は古御蔵.古御蔵は天保14 (1843)年の建替時の棟札があるということで,史料的価値の高いものです.あまりしっかりした造りではないように見えます.

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小川庭園 (島根)

島根県江津市にある日本庭園.現状では県指定の名勝です.小川氏の住宅に残る中世庭園で,「小川家雪舟庭園」とかの名称もあるけど,名勝としての指定名称をタイトルにしました.

小川庭園
【小川庭園】(HDR合成,撮影:2017年9月8日)

雪舟が作庭した庭園です.雪舟による作庭といわれるのは各地にあって,その中には疑わしいのもあるんだけど,ここは雪舟が逗留していたことが確か,他の雪舟庭園との共通点などから確からしいです.三尊石をてっぺんにして豪快な滝石組を斜面に組んでいます.要所に独立した立石があるので,全体を眺めてもメリハリがあります.庭園内に石灯籠なんかもあったりするのだけど,中世にそんなものを置く伝統はないので,当然ながら後補の余計なものです.

現状は島根県指定の名勝.観賞上の価値も,歴史的価値も高いもので,国指定名勝にする話もあったのだけど,所有者側の意向で県指定名勝にとどめているそうです.国指定名勝にすると管理に融通がきかなくなって,かえって適切な管理ができなくなることもあるので,こういうのもしょうがないのかなぁと思ったりします.

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タカシ☆TZR(ヤブキ タカシ)

Author:タカシ☆TZR(ヤブキ タカシ)
兵庫県出身,大学からは宮城.その後,横浜での勤務を経て現在は東京勤務で千葉県在住.愛機はYAMAHAのTZR250R.

国内の文化財の写真を適当に載せていきます.今のところ隔日ぐらいの更新にしてます.日本の美にこだわって近世以前のものを中心に.こんなタイトルのブログだけど,バイクで行ったところでないところの話もでてきます.

「たびねす」というサイトでナビゲーターやってます → 最新記事(2017年5月26日更新)

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