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再訪 - 塩尻市奈良井(長野) 【重伝建】

何度か行っている重伝建の「塩尻市奈良井」(参照:塩尻市奈良井 #1塩尻市奈良井 #2).「旧中村家住宅」が新しく重文になったということで,改めての訪問でした.

塩尻市奈良井(原家住宅)
【塩尻市奈良井 #1 - 原家住宅】(HDR合成,撮影:2023年6月24日)

町を歩いていて見つけた市指定の文化財.県指定ぐらいは一応調べておいたりもするのだけど,広く旅するときに市指定クラスまではあまり調べられていません(登録文化財が見つけやすいのは国のデータベースにのっかっているから).徳利屋の屋号を抱えているけど,旅籠の建築です.天保年間の築で,文化財指定は主屋と土蔵.



塩尻市奈良井(浄龍寺)
【塩尻市奈良井 #2】(HDR合成,撮影:2023年6月24日)

このブログでも何度か話題にしている本棟造という民家の建築様式.長野県内でも分布は偏っていて,木曽路の方では見ないなぁと思っていたら,それっぽいものがありました.これは浄龍寺というお寺の建物で,建物の多いお寺でもないので,お堂と庫裏を兼ねた使い方をしているのだと思います.

本棟造の分布に関してざっくり調べてみると,『本棟造民家の分布と信濃小笠原氏支配地域の関連について』(2006,中尾七重,J. Archit. Plann. Res.)という文献があって,松本平,下伊那地方は多く木曽地方は稀とのこと.木曽地方にあるのは外観は類似しているけど通り土間がない点で異なっている木曽型本棟造系民家で本棟造に分類しないとか.この論文によると,信濃守護職の信濃小笠原氏の支配地域と本棟造の分布が一致しるということで小笠原氏の在地支配との関連性があり,木曽地域は小笠原氏と同盟関係の木曽氏の影響で,木曽型本棟造系民家が分布するということらしい.

素人の意見だけど,この説だと,小笠原氏がいた16世紀半ばに本棟造の様式がかなりのところ定まっていないといけないけど,早すぎる気がします.17世紀半ばの「曾根原家住宅」(重文,長野県安曇野市)が本棟造の様式が定まっていない頃の本棟造の原型ということと整合性がないですね.一応論文の中で説明があるけど,どうにもこじつけ感があります.

写真の浄龍寺の建物ですが,平面が本棟造の要件として重視されるのであれば,お寺の建物ということで民家と同様の平面とは思えないし,本棟造に分類すべきではないのかもしれません.
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テーマ : 歴史・文化にふれる旅
ジャンル : 旅行

tag : 長野重伝建

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タカシ☆TZR(ヤブキ タカシ)

Author:タカシ☆TZR(ヤブキ タカシ)
兵庫県出身,大学からは宮城.その後,横浜での勤務を経て現在は東京勤務で千葉県在住.愛機はYAMAHAのTZR250R.

国内の文化財の写真を適当に載せていきます.今のところ隔日ぐらいの更新にしてます.日本の美にこだわって近世以前のものを中心に.こんなタイトルのブログだけど,バイクで行ったところでないところの話もでてきます.

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